>>霧 |
『良いこと』と『悪いこと』の境界線がぼやけてく 誰が答えを決めたの? 従わないといけないのは何故? 泣くことの純粋さに気付いた 光なんてもう要らない 「代わりに怒ってあげるね」と 前を向く白からあたしを守ってくれた 優しくて残酷な手は此処に亡い 地獄の底とは架空の天国 あるものならば幸いと 慣れた暗闇に瞑想するのだ 一瞬見えた何かを追って駆け上る 夢 夢 夢 夢 夢 夢 妄想 |
これは当時付き合っていた人の寝言と寝ぼけていた言動をもとに書いたもの。
「丸くて白い光があーちゃんをいじめようとするから代わりに怒ってあげるね」とか言って
目を瞑ったままあたしの頭を撫でてくれた。
虚言症の恋人に振り回されていたあたしにとって
優しくされることは自分を苦しみから救えない理由でもあった。
嫌いになって離れてしまえば楽なのに、好きだから苦を背負いこんでしまう。
余命何年と宣告されていただけに、死んだらどうなるのかっていうことをよく考えていた。
目の前の餌に釣られて踊らされて、あたしには何も見えていなかった。
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