重なる白い肌に互いの細い指を絡ませながら踊る
見つめる青い瞳は赤いベールに閉ざされたまま
同化した二人の身体は淫らな妄想と現実の悪意とを抱きながら
彷徨い続ける |
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ベールというのは現代ではウエディングドレスとセットで有名な頭部につける顔を隠す布のこと。
神秘のベールに隠された…という表現でも使われるように正体が見えない状態の比喩とも取れます。
赤いベールについて調べたらキリスト教においては純潔(処女)を意味するものらしい。
青い瞳はフランス人のイメージですよという主張か。
白い肌が重なってる時点で情事に至ったのかとも思ったけど
踊る為に手をとってるだけで「淫らな」ことは妄想止まりっぽい。
「彷徨う」というのはあてもなく歩き回るという意味なので
頭の中で色々考えながらも特に口に出したり行動に移すことなく踊り続けてるっていう感じかな。
「現実の悪意」が難解だけど、仮面をつけてる状態が非日常的な現実逃避だとすると
現実的なしがらみ(身分とかダンス相手のパートナーの有無)が頭に浮かんでるってことかと。
つまり惹かれるままにもっと深く繋がりたいという欲求と、現実を見ると踏み出せないジレンマが交錯してる様子。
シンデレラで考えてみるとしっくりきます。
ロミオとジュリエットも両家の争いを伏せた状態で出会ったのは仮面舞踏会だったし
正体を隠すというのは現代の感覚よりも重そう。
意図されたのか分からないけど、青・赤・白の三色でフランス国旗の色でもあります。
白は王家の色、青赤はパリの紋章の色で、三色合わせるとパリと王家との和解という意味になるらしい。 |
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